第8章 ミッドガル総攻撃開始 





 シドの宣戦布告と同時に、美麗ムービーの始まりです。
このムービーのシドったら、ホントにカッコいい! ポリゴンは瞳の輝きと顔の造作のくっきり具合がいまいちなのですが、ムービーの方は
惚れ惚れするような男前です。
 飛空艇師団がミッドガル上空に展開し、爆撃を開始。同時に地上部隊も突撃します。シャドウフォックスを先導するかのように、フェンリル
で突っ込んで行くクラウドはとても勇壮です。強い男に目がないロッソ姐さんにさっそく目をつけられて、初っ端からガチンコ勝負。
これ、まともに戦っていたらクラウドが勝っていたと思うのだけど。一人くらいツヴィエートを片付けといてくれれば、ヴィンが楽なのに。
いや、それより魔晄炉の停止は他の人々に任せて、クラウドはヴィンと同行してくれればいいのに。などと思うのですが、主役なんですから
ヴィンが重荷を背負うのは仕方ありません。頑張れ。


 ミッドガルでの戦闘シーンは、まるで実写かと見まごうような綺麗な映像です。
セルアニメで育ったせいか、モブシーンを見るとそれだけで「うわあ、作るの大変だっただろうなあ」と思ってしまいますが、CGだってきっと
大変なんでしょう。架空のものを一つ一つ創り上げていく、そのプロセスの大変さに思いをいたして感動するというのも、オタクっぽい楽しみ
方なのかもしれませんが。


 ユフィ、ヴィンセントを始めとする戦闘員たちは、エアボードとでも呼べはいいんでしょうか?板っきれに乗っかって出撃していきます。
はっきり言って無謀以外の何ものでもありません(笑)空中に飛び出していくっていうのに、ヘルメットなしプロテクターなし。
それに、重力バランスを考えると、飛び出したとたんに重たい頭を下にして吹っ飛びますよ。

…いやいや、きっとあのエアボードには、バリアと重力のマテリアが仕込んであるんでしょう。ボードの底面が常に下になるような仕組みと、
使用者を風圧や衝撃から守るようなちょびっとバリアが効いているんです。多分(笑)。

パラシュートでふらふら降りていけば格好の標的になるに決まっているし、何よりけっこうカッコよかったのでOKです。

 先発隊の一人として飛び出していくのがユフィ。恐れ気もなく茶目っ気たっぷりにウインクした先にいたのは、きっとヴィンセントですね。
エアボードでは船酔いはしないみたいです(笑)

 シェルクもSNDの能力をフルに使って参戦。これほど心強いナビゲーターはいないでしょう。

 第2陣のヴィンセントが出撃する直前に、アスールの砲撃を受けた9号機がシエラ号に接触、爆発します。それを気にしてちょっとタイミン
グが送れたヴィン。爆風に巻き込まれかけながらも脱出したあとも、心配そうに艦を振り返ってます。
優しいのと、余裕があるからできるのとどっちなのかな。シエラ号の損傷は軽微、だそうですよ。他の艦に比べて丈夫なんですね。
愛機を傷つけられたシドが怒って、「1000倍にして返してやる!」っていうのも、彼らしいです。百倍じゃなくて千倍なのね。

 無印FF7ではあまり描写されなかった集団VS集団の戦いというのは、迫力がありますね。
BGM
もいいですし、スケールの大きさを感じさせてくれるような気がします。いいんです。贔屓目です(笑)

 何より、「孤独な戦い」をしている印象の強いヴィンセントが集団の中にいるというのが、なんだか面白い。
WRO
と協力して戦うというコンセプトは、今まで持っていた彼の印象が少し変わる要素となったようです。


 ボードで飛んでいくヴィンセント。これ、上昇はできなくて専ら下降用なんでしょうかね。WROに入り浸っていたユフィや隊員と違って、彼は
ぶっつけ本番でこれ使ってるんですよね?
ハンドガンでドラゴンフライヤーを撃墜という離れ業をやってのけたものの、何となく危なっかしい飛び方に見えてしかたありません。
あげくに狙撃されちゃうし。くるくる回転した時に見えたボードの裏面に、「WRO」とペイントされているのが、何となくレンタルスノボみたいで
笑えます。

 バランス崩した彼は、あちこちにボードのエッジやガントレットの爪を立てて、キーキー言わせながらスピードを殺し、体制を立て直します。
うわー、この時にはそばにいたくなーい。黒板でチョークを軋らせるのと、どっちが嫌かしら。


 そんなことをしているうちに、すっかり進路がそれてしまいました。降りて行こうとした先には、敵がいるし。誰もいなそうなところを狙って
行きます。撃たれたボードはどうやらブレーキも利かなくなってるのか、またエッジでキーキー音立てて、最後には空中にボード吹っ飛ばし
て飛び降り。そばにDGソルジャーがいたとしても、この音で倒せたに違いありません(笑)。


 いやー、それにしても、ムービーはいいですねえ(^^)DCみたいにムービーが多いゲームってないんじゃなかろうか。いや、全然かまわな
いんですけど。綺麗なヴィンが見られて眼福です〜。特に、空中戦はマントがなびいて、いつもはお目にかかれない背中やら腰やら美尻や
らが見放題! しかも、斜め下からあおるようなアングル多いですし。ふふふ。

もちろん、DVDに撮って、いやというほど繰り返して見てしまいましたとも!
 あの服は皮製っぽいけど、なんだかジャンプスーツみたいに見えますね。しわのより具合とか。ベルトもたくさんあるし、脱ぐときには大変
そうです。皮製だと、汗かいたら蒸れちゃいそうです。いや、べつにいいんですけど(笑)


 何とか着地したヴィンセントの携帯が鳴ります。もちろん、着メロなんか設定するタイプじゃないですし、スタンダードな着信音ですね。
そして、最初の電話がいきなり説教ですか、シェルクさん。ヘコんだのか、むっとしたのか、ひとことも返さないヴィンもどうかと思うけど。

 着地したところは、本編でも出てきました列車墓場でした。迷路っぽいやなところです。

 ヴィンも迷子ですが、さらに頼りない集団迷子がいました。女性副長に連れられたWROご一行さまは、まるで羊飼いにはぐれた子羊の
群れのようです。そこにやってきた狼ならぬ牧羊犬のようなヴィン。羊のお姉さんは嬉しそうに駆け寄ってきます。
単独行動でマイペースに行こうとした彼ですが、思わぬ子守をすることに。
WRO隊員は弱っちいくせに前に出て、まんまと敵の餌食になってしまうので、世話が焼けます。

 ヴィンセントは、仲間に対しては情が深くお人好しのくせに、どうしてこう人見知りするんでしょう。付いていってもいいかと聞かれて、そりゃ
迷惑でしょうけれど「好きにするがいい」って…。もう少し言いようがあるでしょうにね。
それでも、ちゃんと護衛して、隊長のところに送り届けます。このあたりが律儀です。保護者のような隊長さんは、最敬礼してくれました。


 強力な防衛線があると聞いて、一人で行くと言うヴィン。さすがジェノバ戦役の英雄です。「ヴィンセント殿を一人でいかせるわけには…」と
渋る隊長さんをあっさりきっぱり退けます。いつも無口な彼が誰かを言い負かすなんて珍しい。

 ただ、「おまえらは限界だ」という、この「お前ら」というのがちょっとひっかかりました。
二人称として「お前たち」と「お前ら」というのでは、言った人間の相手に対する心情が大分異なるような気がして。
ロッソに向かっては「お前ら」でいいけれど、味方(被保護者?)でもあるWRO隊員に対しては「お前たち」と使い分けしてもらった方が
いいなぁ。細かいことですが。

 そして、「シドも言ったはずだ」と、この場に残ることをWRO隊員たちに命令します。このあたり、タークスオブタークスの面目躍如?
それより何より、彼の行動規範がシドっていうのが萌えます〜。シエラ号でのあのシドのノリノリの放送を、真面目に聞いてたのかな。
それとも、もう羊のお守りはごめんという思いで使った方便かしら。


 お言葉に甘えさせていただきますという隊長さんの台詞を聞いて、隊員たちとヴィンセントと、果たしてどっちの方がほっとしたんでしょうか
ね。またまた、彼らの最敬礼を受けて、ヴィンセントは一人でおでかけします。


 先行した部隊は全滅したはずなのに、生き残りがちらほらいて、それを助けながら進みます。
壊れた列車の中には、へこたれた隊員がいました。出口がないと聞いたヴィンセントは、さっそく優秀な専属ナビの力を借ります。
短縮ダイヤルの設定をしたのは、シェルクでしょうかね。でも、彼もタークス時代は、携帯で指令を受けて動いていたかも知れないし、添付
ファイルも開けるようだし、機械は苦手なだけで扱えないわけではないと思いたいです。第一、仕事にならないじゃないですか。
機械に弱いタークスなんて。


 シェルクに送ってもらった資料をもとにしながら、地下通路を通って、ついでに敵をやっつけてギルやらアイテムやらをせしめながら、更に
進みます。途中で空飛ぶソルジャーも叩き落し、中央塔へ到着。

…どうでもいいですけど、空中にいる敵ならケルベロスで狙撃しちゃえばいいのにね。なんでわざわざジャンプして蹴り入れる必要があった
んでしょうかね? 銃が効かないバリアはってたわけじゃなさそうだし。やっぱりサービスシーンということでしょうか。いや、ヴィンのムービー
はウェルカムなのでいいんですけど(笑)


 中央塔では、怖いロッソ姐さんが待ち構えていました。クラウドとの戦いはどうしたんだと突っ込みたくなるんですけど、姐さん。
それとも、仕留めそこなった獲物に執着があるということですか?ありえそうで怖い。

「本当に生きてたんだ。あなたそれでも人間?」と、胸に突き刺さるようなお言葉。DCの女性たちって容赦ないですよね〜。
シャルアは「実験成果」というし。ヴィンの人権はどこに行ってしまったのでしょう(笑)

 でも、負けていません。我らがヴィンセント。「お前らよりはな」というあたり、ちょっとむきになってる感じも否めなく、可愛いです〜。
あきらかにケンカ売ってます。やる時はやるんだねぇ。

 しかし、ロッソにハナであしらわれてしまいます。口喧嘩では女性には勝てないと、昔から言われてますもんね。
ロッソ姐さんの見た目はうーんですが、声優さんの好演でよろめいて、けっこう好きなキャラです。冷酷だったり高飛車だったり凶暴だったり
妖艶だったり。

「だから、あなたも殺すわ。ねえ、もう十分に生きたのでしょ?」というあたりは、まるで愛の告白みたいでうほほ〜です。
男だったらぞくりときそうなものですが、この朴念仁には通用しないのがお気の毒ですね。 

 殺し合いの好きなツヴィエートらしく、彼女は狂喜しながら攻撃してきます。強いし美形だし半殺しにしても自己修復するし。状況が許せば
ロッソはきっと連れて帰ってペットにしますね(笑)ありったけの愛情を注ぐのですが、傍目には虐待以外の何者でもなさそうです。
ペットの別名はサンドバッグだったりして。


 でも、主人公なんですから負けちゃいけませんヴィンセント。
カオスも触発されないし、変身しなくても勝てちゃったしということで、実はあまり強くなかったのかロッソ姐さん。
いや実力以外にも、精神的インパクトが怖いんでしょう。ヴィンに負けて「私より強いやつが外にいるなんて…」って、井の中の蛙、地の底の
ツヴィエート。この台詞で随分格が下がっちゃいました。そして、最期もけっこう往生際が悪いです。でもまあ、彼女らしいし、満月を背景に
高笑いして落ちていくっていうのはきれいでしたけど。

それより、弱った敵にトドメも刺さずにぼけっと見ているヴィンセント!お人好しにも程があります。瀕死の彼女に凄まれて怖くなったわけで
もないでしょうに。

 とにもかくにも、一人目のツヴィエートを何とか倒して、アスールの待つ神羅ビル地下へと向かいます。 





DIRGE of CERBERUS